昭和46年02月12日 夜の御理解
今日、こちらの日田の綾部さんのお導きで、一緒になる人に当たる方があります。まぁ大変な色々おかげを受けておられるらしいですがね、二つ目には体格のこんないい女の方でしたね、私はこの人はね男の、男の人が鬘をかぶっとるとじゃなかろうという、こう顔が少しよごうどりまして、あの人のちょっと器量を悪くしたちう顔ですもん、(笑)私はね、( ? )髪はもう綺麗にこうパーマーしちゃるけん、鬘かぶっとなさるじゃなかろうか思いましたね、色もこう相当黒いしですね。
その方と段々お話を聞きよったら女ち言う事が分かったんです(笑)満州引き上げせらしたですね、それであの満州でそのお父さんが警察官じゃった、警察官はですね、もう全部捕まえられちからですね、そのたんこに隅にやられてから、全部亡くなられたそうですがね、あそこだけはその主人がね、その主人やら子供さんを家の中に詰め込めて、自分が表におってですね、男装をしてですね、この頭をつんで男装をして表に、自分がここの主人だというて言いなさったそうです。
私は本当に何がおかげになるやら分からんと私は思いましたですね、成程これならば男装、こうきやんふうになるならやっぱ、その満州ではみんなはめとるですからね、やっぱ本当にこれは男と思うじゃろうと思うてですね、それで私ちょうど思いよる時に話なさいますもん、自分の男装して流れる様なそして、現在はおかげを頂いておられるが、本当に器量が悪いとか、その思うことでん男ごたることでございますけれど、本当それがね、おかげの元になっておられたと言う事ですね。
ですからそれを聞かせて頂きながら、私共ね本当のこげん例えば器量が悪いとか、こげなん難儀なというけれども、その事がもう大変なおかげの元になってね、もうどうにもおかげの元になっておる事が沢山あるというて、もう改めてねおかげのその、を申し上げねばならん事に対してね、あのお礼を申さなけりゃならんと言う事を感じさせて頂いて、ほんに私は今あなたば見てから思いましたち、あなた男の方が鬘をかぶっとると思いましたと(笑い)ね。
そうしてみたらあなたその様子があなた達一家が助かりじゃったのうとよちよち、見たような感じがしますよね。ですからその方はそんな事をよしと思うておりませんけれどね、自分の男装をしてですね、こげん着てからですね、頭をかってから自分がここで主人、いや主、それけん主人が助かった、自分達もおかげで無事に帰ってきたという話なんです、笑い話のようになったからね、いろいろこう有り難いおかげをその新たに私共が感じごとならんようなお話でした。